入間郡市柔道連盟


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柔道修行の心得
入間郡市柔道連盟
平成29年7月1日改定

はじめに
 柔道は単に強さのみを求めるだけのものではありません。
相手への気配りが出来ていたり、困難なことにも立ち向かえる強い心を作ることも大切です。
そのためには乱取稽古、形の稽古などの実技と併せて柔道の歴史、目的、形、技の名称、技の理論などを理解することが大切です。


1.講道館柔道の始まり
 柔道は明治15年嘉納治五郎師範により創設されました。
師範はそれまで行われていた柔道諸流、特に天神楊流と起倒流の二流を学び、 その長を採り短を削り、さらに創意工夫を加えて武術の目的を達するのみならず、 智、徳、体の三育に通達するのに「柔道」は最も良い仕方であるという教育理念を揚げて創始されました。

2.柔道の目的
 柔道は、心身の力を最も有効に使用すること(精力善用)であり、 その力を使用する目的は単に自分だけでなく社会全体が平和で繁栄して行くように、 互いに共栄(自他共有)して行くことにあります。 そのためには攻撃防御の乱取稽古、技の理合を体得する形の稽古などを積み重ね、心技体の向上をはかり、 よって社会の発展に寄与するとともに自己の完成を目指すことです。

3.試合場の注意事項
 現在の柔道はスポーツとしての要素が強くなっていますが、 その起源は言うまでもなく武術であり、格闘技でありますから、他の一般的スポーツより以上に、 特に礼を重んじ相手を敬うことが大切となります。 次に怪我をしないこと、相手にも怪我をさせないことが重要です。

(1)礼について
 礼は人間関係や社会生活の秩序を維持ずるために人が維持するために人が守るべき行動様式で特に敬意を表す作法です。 特に、柔道は相手と組み合って修行する武道ですから、相手を敬う心とその心が相手に解るように表現する作法を身につけることが必要です。

(2)試合の心構え
 柔道の試合は修行の一つであり、相手があって初めて行えるわけですから、 相手に対しては敬意を持って試合に臨むことが必要です。そして、普段稽古で身につけた「身・体・技」の全ての力を出し、 その攻防の中から得られる貴重な体験を多方面に生かすことが大切です。
 また試合は勝負を争うことが前提ですから、勝つことに全力を出し切ることが大切ですが、 勝負の結果としては「勝って奢らず、負けて腐らず」また、敗者に対しても「自分と試合をしてくれた大切な相手である」ことを忘れてははいけません。
 そして勝ち負けにとらわれ過ぎることなく試合内容を反省して次の修業に役立てることが大切です。

(3)衛生について
 柔道は対人競技であり、相手に怪我をさせないように、また不快な感じを与えないように下記のことを守ることが大切です。
 @ 爪を切っておくこと。
 A 柔道着は清潔なものを着用すること。
 B 髪は乱れないように束ねておくこと。
 C 金属類は身に着けないこと。

4.事故の防止
 柔道は体と体が激しくぶつかり合う格闘技ですから注意を怠ると思わぬ事故につながることもあります。 自分がけがをしても相手にけがをさせてもお互いが不幸であります。 また、修業の障害にもなりますので、そのためには下記のことを守り出来る限り予防しなければなりません。
  @ 前日より自分の体調を整えておく。
  A 準備体操を十分に行う。
  B 受身が十分出来るようになっていること。
  C 危険な技をかけない。(特に審判規定で禁止技になっている技は掛けない、動作をしない)
      ・河津掛けで投げること。(国際27条-22)
      ・関節技の中で、肘関節以外の関節をとること。(国際27条-23)
      ・背を畳に着いている相手を引き上げ又は抱き上げたときこれを突き落とすこと。(国際27条-24)
      ・相手が払腰等をかけたとき、相手の支えている足を内側から刈ること。(国際27-25)
      ・特に首や脊椎に相手に危害を及ぼすような柔道精神に反するような動作をすること。(国際27-28)
      ・立ち姿勢から腕挫脇固のような技をかけながら一挙に体を捨ててとること。(国際27-29)
      ・頭を前傾した姿勢(頭が先に畳に着く)で内股、跳腰、払腰等により巻き込むこと。(国際27-30)
      ・試合者の一方が後ろからからみついたとき、これを制しながら故意に同体となって後方へ倒れること。(国際27-31)
      ・両膝を最初から畳に着いて背負い投げを施すこと。(少年規定:指導)
  D けがを起こしやすい動作をしないこと。
      ・内股などで投げられたとき、無理に頑張って肩から落ちる。
      ・投げられたとき手をついて防ぐ。
      ・前方回転受け身をするとき肩から落ちる。(人が台になって飛び越す練習のときに起こしやすい)

5.柔道の基本
(1)投げ技の稽古
 ・受け身(後方、側方、前、前方回転)        ・姿勢と組み方(自然体・自護体)
 ・後退と体捌き(運足、前捌き)・崩し(八方崩し)  ・作りと掛け  ・力の用法  ・その他

(2)固め技の稽古
 ・姿勢   ・体捌き   ・移動   ・応じ方   ・入り方   ・その他


6.講道館柔道の技名称
(1)投げ技
    @ 手技(浮落・肩車・背負投・一本背負投・体落など)
    A 腰技(浮腰・払腰・釣込腰・大腰・跳腰・袖釣込腰など)
    B 足技(送足払・支釣込腰・内股・大外刈・大内刈・小内刈など)
    C 真捨身技(巴投・裏投・隅返・引込返など)
    D 横捨身技(横掛・横車・浮技・谷落など)
(2)固め技
    @ 抑込技(袈裟固・崩袈裟固・肩固・上四方固・崩上四方固・横四方固・縦四方固など)
    A 絞技(逆十字絞・裸絞・送襟絞・片羽絞・三角絞など)
    B 関節技(腕がらみ・腕挫十字固・腕挫脇固・腕挫腹固など)

7.講道館柔道の形の種類
(1)技の形(15本)
    @手技(3本:浮落・背負投・肩車)
    A腰技(3本:浮腰・払腰・釣込腰)
    B足技(3本:送足払・支釣込腰・内股)
    C真捨身技(3本:巴投・裏投・隅返)
    D横捨身技(3本:横掛・横車・浮技)
(2)固の技(15本)
(3)柔の技(15本)
    ・一教 (5本:突出・肩押・両手取・肩回・顎押)
    ・二教 (5本:切下・両肩押・斜打・片手取・片手拳)
    ・三教 (5本:帯取・胸押・突上・打下・両眼突)
(4)他の形
    ・極の形(20本)
    ・講道館護身術(21本)
    ・五の形(5本)
    ・古式の形(21本)
    など










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